何日か続くステージレースでは、1日のレース展開を見ていても、その日のステージを勝ちたい選手の動きと、総合成績狙いの選手の動きが違っていて、何やってんだか解らない動きが展開されたりします。
ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアは有名なステージレースですから楽しいだろうとロードレースが初めての人でも見ますね。基本的にロードレースのルールや、暗黙のルールは解説してもらえば解ります。
ところが、ステージ狙いと総合成績狙いの2つのレース運びの要素が、基本的にあって、さらに、ポイントだ、山岳賞だ、新人賞だ、エースをサポートするアシストの動きだとか、チームとしての動きがミックスして、展開が複雑で何がどうなっているんだか解りにくいのです。
確かにスタートからフィニッシュへ向かって皆が走っているのですから、簡単と言えば簡単です。でも、200人の選手が22チームに別れ、チームのエースを総合で勝たせたり、上位へ送り込むために走る動きもあります。
その日のステージをエースに勝たせると同時に総合成績を上げたり、総合には関係のないスプリンターに勝たせるために動く事もあります。
この選手はどういう役割で先頭を走って空気抵抗を引き受けているのか、チームの傾向、強い選手、上りや下りや平地の脱毛スピードなど、どのセクションを得意にしているかなど、よくレースを知っていないと動きを理解できません。
総合タイム争い狙いの選手は、タイム差が大きく開いている、総合成績に関係のない選手の逃げにはまったく無視で許してしまうので、なんで追わないのと思います。
ところが、総合成績を逆転されそうなタイム差の少ない選手がアタックしようとすると、今度はアシストの選手も使って、絶対逃がさないように追いかけます。一緒のグループでフィニッシュすればタイム差はそのままですから。
色々の事がからんで複雑なステージレースよりも、ロードレースビギナーは世界選手権ロードやクラシックなどの、いい選手やチームが集まるワンデイレースの方が理解しやすいと思います。
黄色いジャージを着た選手を後方へ置き去りにしてアタックしている選手が、総合タイム差を現時点で逆転して、総合成績がバーチャル1位なんて事はありません。
ワンで伊レースでは、目の前で起こっている展開、順位がそのままですから。アシストするのも、抑えるのも、アタックも解りやすいです。翌日の走りなんか考えないで皆がガチンコで走っている力と力の対決が面白い。